コンサドーレ札幌のFW内村圭宏(25)が、念願の国立に“忘れ物”を取りに行く。チームは12日、次節東京V戦(国立)に向け、札幌・宮の沢で紅白戦を実施。内村は主力組の1トップに入り、1得点1アシストと好調をアピールした。前節北九州戦でも1アシストをマーク。石崎信弘監督(52)も「内村が入るとボールがおさまる。中盤の選手も安心して預けられている」と連続での先発起用を示唆した。

 内村にとって人生初の国立に立つチャンスが近づいた。大分2年で臨んだ01年度の高校選手権準々決勝の前橋育英戦では、先制弾を決めるも、元札幌のFW相川に後半37、39分に2発決められ、逆転負け。「あれは自分にとっての“ドーハの悲劇”だった」。愛媛時代の07年には天皇杯でJ2ながら快進撃を見せたが準々決勝川崎F戦で0-2と完敗し、再び目前で聖地を逃した。それだけに「あの分を取り返しに行きたい」と意気込む。

 東京V戦は相性もいい。大分時代の05年12月3日にプロ初ゴールを決めた相手でもあり、これがJ1の2得点中、敵地で唯一決めたゴールだった。愛媛時代の07、09年にも1点ずつ決めるなど計8戦3発。「北九州戦は周りとうまく連係できた。今度は自分で決めることも忘れないようにしないと」。演出から仕上げまでこなせる軽快な“内村プロデュース”で、札幌サポーターに歓喜の笑顔をもたらす。【永野高輔】