ゴンがナレーションに挑戦だ。コンサドーレ札幌のFW中山雅史(42)が、8日から放送される米人気ドラマシリーズDVD「HEROES(ヒーローズ)」のCMナレーター役を務める。ピッチ内外でチームPRに貢献してきた大ベテランが、今度は“語り”という新たなスタイルでお茶の間に登場する。

 サッカー界のヒーローが「ヒーロー」を彩る。中山が担当するのは、シリーズ完結版「ファイナル・シーズン」のDVD。制作サイドが「ヒーローといえば中山雅史」という理由で抜てきした。既に収録済みで、レンタル開始の8日から放送されるCMなどでお披露目される。

 同シリーズは特殊能力を持つ人々を描いたSFドラマ。放送開始の06年以降、世界的ヒットとなった。最終作品のPRに一役買うことになる。今季はホーム愛媛戦前日の6月12日に、函館の宿舎から異例のテレビ生出演。約4時間のバス移動直後に、ホーム試合を全国中継でPRした。今回も練習や長時間マッサージの合間を縫っての収録。疲労を抱えながら、ヒーローズさながらの超人的日程を消化した。

 収録に同行した関係者によると「いつもの元気いっぱいな感じではなく、少し抑え目のトーン」になるという。試合や練習中の甲高い雄たけびに近い声とは異なり、映像に則した渋めのゴン節を堪能できる。

 J最多157得点など、日本のサッカー史に名を刻んできた42歳。ヒーローと呼んでも異論はないだけの活躍を見せてきたが、それでも自ら「ヒーローになりたい」と話すなど、意欲はとどまらない。今季は12試合無得点。札幌のヒーローになろうと燃えるひたむきさが、15秒のCMに凝縮される。