<親善試合:韓国0-0日本>◇12日◇ソウル

 MF遠藤保仁(30=G大阪)が史上4人目の国際Aマッチ通算100試合出場を完封で飾った。勝利こそならなかったが、MF登録選手では初となる大台到達試合で存在感を発揮。開始から主にMF長谷部とダブルボランチを組み、後半41分に退くまで戦術眼を生かしてピンチの芽を摘んだ。アジア最強のライバル相手に的確なポジショニングで守備でも貢献。「(100試合は)ひとつの通過点。さらに積み重ねて、今後も伸ばしていけたらいいと思う」と言った。

 前半15分には右サイドに抜け出したFW松井に絶妙のスルーパスを供給。後半2分にはMF奇誠庸を追い掛けボールを奪い取るなど、攻守の切り替え役として中盤を切り盛りした。「日本版カテナチオ」構築を目指し、守備からチームづくりに着手したザッケローニ監督の目指すスタイルに欠かせない男であることを証明した。

 実は韓国には出場試合で1度も勝っていなかった。「前(5月の対戦時)の韓国の方が強かった」。自身の対韓国初勝利はお預け。悔しさを一気に晴らすことはできなかったが、仕事は果たした。

 遠藤に呼応するように最終ラインも踏ん張った。闘莉王、中沢の看板DFを故障で欠いたが、強豪アルゼンチンからの歴史的完封勝利で自信をつけた今野、栗原のセンターバックコンビが再び「代役」とは思えないプレーを披露。後半13分、混戦からGK西川がボールを後方にこぼした際にはDF長友がゴールライン寸前で蹴り出してピンチを脱出した。

 全員が最後まで集中力を保ち、ザックジャパンは2試合連続完封。アルゼンチン戦に続き、守備陣は再び結果を残した。