悲願の初制覇を目指す広島に朗報!?

 ナビスコ杯決勝は今日3日、東京・国立競技場で12年ぶり2度目の優勝を狙う磐田と、初優勝を目指す広島が激突する。前日の2日、広島の日本代表DF槙野智章(23)を中心としたゴールパフォーマンスが、日本協会の松崎康弘審判委員長(56)から「相手に失礼がなければ認めるべき」と異例のお墨付きを得た。10月31日の横浜戦(ニッパ球)で主審に止められたゴールパフォーマンスが大舞台で「解禁」される。

 大一番を前にして異例のGOサインだ。広島のゴール後のパフォーマンスについて、松崎審判委員長は「相手チーム、サポーターを挑発する行為は当然ダメ」と前置きした上で「得点後のゴールを喜ぶためのパフォーマンスは認めなければならない」と“公認”。決勝の笛を吹く主審にも「容認の方向」と伝えたことを明かした。遅延行為の危険も伴うが「時間はある程度までならOK」とした。

 10月31日の横浜戦で先制点を決めた後、ゴールパフォーマンスを披露しようとしたが、主審に止められ不発に終わった。主審に抗議した槙野は「引きずってしまった…」。結果は逆転負け。チームの雰囲気も沈んだ。一夜明けた1日には、ペトロビッチ監督が神奈川県内での調整後に「速やかにパフォーマンスを実行しろ!」と、ゴールパフォーマンスを続けるように隠密指令を出していた。

 晴れてパフォーマンスが解禁され、チームも上げ潮ムードに乗った。この日、都内ホテルで前夜祭に出席した槙野は「(川口)能活さんからゴールを奪いMVPを獲得したい。(前田)遼一さんには試合に出てほしくないですね」と、ジョーク交じりに心理戦を仕掛けた。【佐藤貴洋】