コンサドーレ札幌のMF砂川誠(33)が、8年間の札幌生活に別れを告げることになった。クラブが来季の契約を結ばないことが4日、明らかになった。96年に柏に入団し03年に札幌へ移籍した。J通算359試合31得点、札幌ではクラブ最多289試合出場の古株だった。現役続行の意思があり、今後は他クラブへの移籍、または指導者への転身も視野に入れていく。

 札幌を支えてきた背番号8がチームを去る。砂川はこの日、札幌市内での練習後、自ら「クラブでも最後までチームに残れる道を考えてくれたが、最終的に退団という結論になりました」と明かした。今後については現時点では未定。「興味を示してくれるクラブがあれば話を聞いてみたいし、目標とする指導者としてということもある。まだ分からない」と話した。

 札幌の“鉄人”ともいえる存在だった。03年に柏から加入。攻撃的MFとして同年の開幕戦でいきなり得点するなど活躍した。ドリブルを生かしたサイドでの仕掛けや、精度の高いクロスで07年にはスーパーサブとしてJ1昇格に貢献。昨年4月26日の横浜FC戦で札幌での出場数を232試合とし、DF曽田が当時保持していた最多記録出場を更新した。

 33歳となった15年目の今季も、鋭い勝負勘を生かし主に途中出場で21試合に出場。10月24日の富山戦では左クロスで上里のゴールをアシストするなど結果も残していた。来季は強化費の大幅削減が濃厚。今季の4億5000万円から3億円台に下がる可能性もある。クラブ側も功労者と評価していたが、厳しい経営状況もあり苦渋の決断を迫られていた。

 砂川も今季に入る時点から「昇格できなかったら、その後どうしようかと考えていた」という。同時に大ベテラン中山の加入が刺激となり「やれる限りやった方がいい」と札幌でのプレーに全力を投じてきた。今季は、その中山とともに全試合ベンチ入り。残り6試合についても「まだ札幌の選手。練習から頑張って1試合1試合大事にしたい」と誓った。