コンサドーレ札幌のユニホームスポンサー、家具製造販売大手のニトリが今季限りで撤退する可能性があることが23日、分かった。同社との契約は本来、昨季限りで、今季は暫定での延長措置のため、更新は厳しい状況だ。撤退となれば、強化費は想定していた3億5000万円からさらに約5000万円削減され、3億円前後まで下がる可能性があり、選手補強への影響は避けられない。

 札幌に厳しい現実がつきつけられた。08年から3季にわたりチームを支援してきた大手スポンサー「ニトリ」の支援を失う可能性が出てきた。既にクラブ内では同社撤退を見据えた強化費の暫定的な見積もりもつくられており、正式に決定すれば大幅削減は確実。強化費は当初の想定3億5000万円からJ2最下位に終わった04年を下回る3億円前後にまで下がることになる。

 07年に不祥事を起こした現メーンスポンサー石屋製菓の代役として救いの手を差し伸べたのが同社だった。08年から2年5億円という大型契約で十分に役割も果たした。当初の契約は昨季限りで終了する予定だったが、クラブ側の強い継続要請を受け、今季は袖スポンサーとして約5000万円の支援を行っていた。石屋製菓も不祥事から完全に立ち直り、あらためて役目を終えたというのが同社の判断だった。

 クラブ側では当然来季の契約更新を要請していくが、現時点では厳しい状況。矢萩竹美社長(60)も「年内は大手スポンサーを中心に粘り強く交渉していく」と話すが、同社の完全撤退となれば5000万円が失われる。

 続投を要請している石崎監督にも既に同社の撤退を見据え、強化費3億円前後でのチームづくりを打診している。関係者によると同監督も成績低迷に、責任を感じているという。さらに選手数は23人前後まで縮小され強化費も大幅減。来季は今季以上に厳しい戦いになることは必至で、指揮官1人の力ではどうにもできない状況に陥っている。

 05年の甲府が強化費2億6000万円でJ1昇格を果たしているが、これはレアケース。同社の撤退は予想できたことだけに、クラブ側にも問題はある。資金力の乏しい札幌にとって、来季に向け明るい兆しはなかなか見えてこない。