DF松田直樹(33)FW山瀬功治(29)らベテランの大量解雇に踏み切った横浜が、今オフの補強で大苦戦を覚悟していることが29日、分かった。横浜は、清水MF藤本淳吾(26)清水DF青山直晃(24)柏DF小林祐三(25)の獲得に乗り出しているが、下条佳明チーム統括本部長はこの日「ネガティブな印象が広がってしまい、交渉が長引くことも考えられる」と長期化を想定し始めた。

 前日28日に松田、山瀬の戦力外通告が明らかになり、横浜市内のクラブハウスには、説明を求めるサポーター100人以上が押し寄せた。「世代交代」を理由に“功労者”の放出を断行した下条本部長には厳しい声が浴びせられた。同本部長は、メディアを通して伝えられる現状が、獲得を目指す選手へ心理的影響を及ぼすことを危惧。

 また、交渉が失敗に終わった場合は「トライアウトによる選手の獲得も視野に入れなければならない」とするなど、松田、山瀬に加え、MF清水範久(34)MF河合竜二(32)FW坂田大輔(27)のベテラン5選手放出の穴を、各クラブで戦力外通告を受けた選手で埋める皮肉な結果を招くことも覚悟している。

 「世代交代」を命題にベテラン一掃に踏み切ったが、名門復活に向けたチーム作りの先行きは不透明のままだ。