国際サッカー連盟(FIFA)の理事会がスイス・チューリヒで2日に開かれ、22年のW杯招致に立候補していた日本は落選し、カタールの開催が決まった。日本協会の小倉純二会長(72)は最終プレゼンで最先端技術を駆使した「次世代W杯」を強く訴えたが、02年の日韓共催に続く2度目のW杯は無念の先送りとなった。

 経済発展を遂げたカタールが、中東初のW杯招致を実現した。演説で「新たな時代」をアピール。モハメド王子が流ちょうなフランス語で「新しい冒険に乗り出し、一緒に歴史を塗り替えましょう」と語りかけ、イラク人青年が「サッカーは政治にも成し遂げられない統一感をもたらす。中東全体がカタール招致を応援している」と話した。

 93年の「ドーハの悲劇」で知られる。当時の会場は古く、ピッチの芝もはがれていた。しかし、世界屈指の経済成長率を武器に環境は激変。気温40度という夏場に太陽光発電を生かしたエアコン設備をスタジアムに導入し、快適な観戦を提案。今回のPRのため、実際にミニチュアのモデルスタジアムまで建設したほどだ。W杯で5カ国を率いたセルビア人のミルチノビッチ監督も演説に登壇し「暑さは問題にならない」。招致大使にジダン氏らを起用するなど、大物とのコネクションもプラスに働いた。