<J1:京都2-0東京>◇最終節◇4日◇西京極

 

 東京が2000年のJ1昇格以来初めてJ2に降格した。前節まで勝ち点36の15位と残留圏内だったが、すでにJ2降格が決まっている17位京都に0-2で完敗。浦和に4-0で大勝した神戸が勝ち点38の15位に浮上したため、勝ち点2及ばなかった。東京からJ1クラブが姿を消した。来季は大幅減収が予想されるため、FW平山相太(25)DF今野泰幸(27)ら高額年俸の主力の大量放出は避けられず、来季のJ1復帰への道も厳しい戦いになりそう。

 無情のホイッスルが会場に鳴り響くと、選手たちは次々とピッチに崩れ落ちた。MF徳永悠平(27)は涙を流して横たわり、FW平山は座り込んだまま動けなかった。芝に突っ伏したDF今野は「何も考えられない。何もやる気がおきない。力が抜けたという感じです」とぼうぜんとした表情で話した。

 勝てば自力残留が決まる一戦。プレッシャーが重くのしかかった。前半はパスミスを連発し、連動性も欠いた。同34分、相手FWドゥトラに先制点を許した。後半25分すぎからパワープレーで反撃に出たが、ロスタイムにカウンターからPKを献上。それをディエゴに決められ万事休した。

 開幕前、城福前監督の戦術の心臓部ともいえる、MF米本が負傷。手術明けのMF梶山もシーズン通じて万全ではなかった。W杯後にDF長友がセリエAのチェゼーナに移籍。決定機に決められず、ミスから失点する負けパターンが続いた。クラブは城福前監督を解任し、大熊体制で立て直しを図ったが、J1残留にこぎつけられなかった。

 初のJ2降格で来季はクラブ存亡の危機に立たされる。スポンサー料、入場料の減収は避けられず、村林社長は「(来季予算は)大幅な減収。全選手を残したいが、当然出る選手はある」と強化費の削減を示唆。今野、平山、MF石川、東京Vから期限付き移籍のFW大黒らの主力も、高額年俸のため放出する可能性が出てきた。日本代表GK権田についても、村林社長は「代表選手というレベルでJ2に残ることがいいことかどうか」と複雑な胸中を明かした。

 補強にも影響が出る。来季獲得を目指しているU-21(21歳以下)日本代表FW永井(福岡大)はJ1でのプレーを希望しており、獲得は絶望となった。獲得に興味を示すG大阪FWペドロ・ジュニオール(23)との交渉も断念せざるをえない。続投濃厚だった大熊監督についても、同社長は「明日以降、話し合うつもり」とあらためて週明けにも会談を持つ意向だ。大幅な戦力ダウンは確実で、同社長が言う「1年でJ1復帰」の目標も、極めて厳しい状況となった。【塩谷正人】