<J12年ニッカン・フットボール・アウォーズ攻撃編:ヘッド得点王>

 日刊スポーツでは、今季のデータを独自に分析して各賞を選出する、恒例「ニッカン

 フットボール

 アウォーズ」を今日から3回にわたって連載する。

 仙台FW赤嶺真吾(29)は、ヘディングだけで10ゴールをマークし、日本人選手では元日本代表FW城彰二(横浜M)が、98年に記録して以来、14年ぶりに「ヘッド年間2ケタゴール」を達成。昨年(7得点)に続いて2年連続ヘッド得点王に輝いた。

 赤嶺が、偉大な先輩の記録に並んだ。今季はリーグ3位の14得点を挙げたが、そのうち頭だけで10ゴールを決めた。ヘッドで年間2ケタ得点は快記録で、02年のG大阪FWマグロン以来、史上4人目。日本人選手では、赤嶺の母校、鹿児島実の先輩FW城が、横浜M所属時代の98年に達成して以来、14年ぶり3人目だ。

 身長は180センチとずばぬけて高いわけではないが、179センチの先輩FW同様、相手DFとの駆け引きのうまさで得点を量産。ペナルティーエリア内でDFのマークを外しているから、サイドからいいクロスが上がればゴールに直結した。

 ヘッド10得点のクロス位置を見ると、左からが4点、右からが5点と左右を問わずに合わせた(CKの混戦からが1点)。仙台得意のサイド攻撃は、クロスに頭から飛び込む赤嶺の存在があるからこそ機能した。

 勝ち点に結び付いた貴重な得点も多かった。今季の通算ゴール数はトップの佐藤に8点差の3位だったが、「殊勲ゴール」はリーグ2位の11点で、こちらは首位の佐藤にわずか1点差。抜群の勝負強さで、クラブ史上初となるACL出場権獲得の原動力になった。

 J1通算56得点は歴代49位タイ。ヘッドに限れば通算25得点で歴代13位タイに進出する。「ヘディングが自分のストロングポイントとは思わないけど、相手DFの大きい、小さいとかもある中で、どういうボールでも怖がらずにいけるというのはある」。3年連続ヘッド得点王となればJリーグ史上初。来季も赤嶺の頭に注目だ。【石川秀和】<1>赤嶺真吾(仙台)10

 14

 71.4<2>豊田陽平(鳥栖)7

 19

 36.8<3>マルキーニョス(横浜)6

 10

 60.0<4>チョ・ビョングク(磐田)5

 6

 83.3<5>ケンペス(C大阪)4

 7

 57.1<5>佐藤寿人(広島)4

 22

 18.2【注】占有率は総得点に占めるヘッドで決めた得点の割合※左から順位、選手名(所属)、頭での得点、総得点、占有率<年間ヘッド2ケタ得点>95

 長谷川祥之(鹿島)10

 42

 16

 17998

 城彰二(横浜M)12

 31

 25

 17902

 マグロン(G大阪)10

 29

 22

 19212

 赤嶺真吾(仙台)10

 30

 14

 180※左から達成年、選手名(所属)、頭での得点、試合数、総得点、身長