日本協会は11日、福島第1原発事故の対応の「前線基地」として使用されてきたJヴィレッジ(福島県広野町、楢葉町)で理事会を開催した。理事らによる施設の視察を兼ねたもので、大仁邦弥会長(68)をリーダーとするJヴィレッジ復興サポートプロジェクト(仮称)の設立を決定した。現在、Jヴィレッジには東京電力の福島復興本社が置かれており、天然芝ピッチ2面が駐車場として使われ、2面は荒れた状態で放置。人工芝ピッチには未使用の汚染水タンクや資材が置かれ、観客席がある競技場のピッチには作業員の宿舎が建てられている。

 日本協会は将来的には以前のような強化拠点として完全復元することを目指すが、時期的な見通しは立たない。まずは荒れた天然芝2面の再整備を行い、「部分使用」ができるように調整していく意向だ。大仁会長は「今日、理事会を開いたことで、ここは安全だと知ってもらえればいいと思う。プロジェクトを立ち上げ、早くピッチが使えるようにしたい」と話した。

 ◆Jヴィレッジ

 天然芝11面を完備し、1997年にオープンした日本サッカー界初のナショナルトレーニングセンター。敷地は福島県の楢葉町と広野町にまたがり、約50ヘクタールと広大。2002年日韓W杯大会ではアルゼンチン代表がキャンプ地とした。06年には敷地内に中高一貫のエリート選手育成校、JFAアカデミー福島が開校したが、現在は静岡に移転中。