<サッカー:U-12ワールドチャレンジ2013>◇決勝◇30日◇味スタ西競技場

 FW久保建英(たけふさ、12)所属のバルセロナが、決勝でリバプールを5-0で破り優勝した。前半15分、ペナルティーエリア内での久保のドリブル突破からオウンゴールで貴重な先制点が生まれた。勢いがついたバルサは後半4点を追加し、リバプールとの名門対決に大勝した。

 「日本のメッシ」とスペインで呼ばれる久保が真価を発揮した。前半15分。それまでの行き詰まる状態を切り裂くようなプレーで、場内の度肝を抜いた。ペナルティーエリア内で相手DFを背にパスを受けた瞬間に、体を反転させ、ゴールへ高速ドリブル。あっという間にDFを抜き去り、GKに迫る。GKが飛び出したところに、ゴール前へ高速パス。ボールは相手DFの足に当たって、ゴールに吸い込まれた。

 1次リーグでは、得意のドリブル突破でゴールも決めたが、ワンタッチでパスをさばきチャンスメークに徹していた。しかし、リバプールとの決勝では、ペナルティーエリアで切れのあるドリブルで勝負に出た。ナバーロ監督も「タケの絡んだ先制点はすごく重要なゴールだった。あそこで1点取ったことでチームが落ち着き、2点目を奪いに行けた」と久保を絶賛した。

 久保にとっては、11年に10歳でバルセロナの下部組織に入団して以来、初めての日本での試合だった。前日には体調を崩し、この日の準決勝では前半だけで交代。それでも決勝のレベルの高い戦いの中で、その実力を日本人の前に披露した。9月から始まるリーグ戦で、久保の厳しい戦いが再び始まる。【桝田朗】