J3に参入する藤枝MYFCは7日、藤枝市内で記者会見を行い、水島武蔵新監督(49)の就任を発表した。幼少時代をブラジルで過ごすなど、異色のサッカー歴を持つ水島監督は3年ぶりの現場復帰。サッカー王国で培った経験とその後の指導者としての実績をベースにチーム作りを進め、上位進出を狙う。新監督とともにコーチ陣も発表された。

 水島新監督がJ3元年を迎える藤枝MYFCの指揮を執ることになった。クラブの公式ネクタイを締めて会場に入ると、会見冒頭で「自分の経験を生かせるチャンスをくださったクラブに感謝している。チームで一丸となって成長していきたい」と、引き締まった表情で今季にかける思いを語った。

 東京都出身も父が藤枝出身という縁もあり、小学校は藤枝市内の少年団でプレー。10歳から単身ブラジルにサッカー留学し、その後は1部リーグで日本人として初出場を果たした。異色の経歴を持ち、サッカーの本場・ブラジルでの経験は「自分の大きな支えとなっている」。小山淳代表(37)も「その経験とMYFCが目指すサッカーを融合させてほしい」と期待した。

 この日は新たに加わるスタッフ陣も発表し、新体制をスタートさせた。チームは10日に始動し、より攻撃的なスタイルを目指して3月の開幕に向けてチーム作りを進めていく。12日には元Jリーガーや大学生などを集めたトライアウトを行う予定だ。

 クラブ創設からわずか5年で悲願のJリーグ入りを果たした藤枝MYFC。水島監督は「選手自らが考えて実践できるようなチームにしていきたい。幼いころ、藤枝でサッカーの面白さと魅力を学んだ。今までの思いを少しでも地域の方に貢献したい」。新指揮官の下で新たな挑戦が始まる。【神谷亮磨】

 ◆水島武蔵(みずしま・むさし)1964年(昭39)9月10日、東京都生まれ。7歳で藤枝に転居し、10歳でブラジルに留学。サンパウロFCユースに所属し、リーグ戦で日本人初出場。帰国後は日本リーグの日立製作所(現J1柏)でプレーし、全日空(横浜フリューゲルス)に移籍。92年の現役引退後は横浜FCユース監督などを歴任。家族は妻と1男。<藤枝MYFCのスタッフ陣>

 総監督兼女子監督:菊川凱夫(69)

 トップチーム監督:水島武蔵(49)

 ヘッドコーチ:大石篤人(37)

 コーチ:加藤知弘(34)

 アシスタントコーチ兼女子ヘッドコーチ:石田祐樹(33)

 テクニカルディレクター:龍岡歩(33)