1月に右膝半月板部分断裂で手術を受けたJ2札幌FW三上陽輔(18)が、熊本市内で行われた9日の練習から完全合流した。全治2カ月の診断だったが、わずか44日で復帰。高校在学中の昨季、リーグ10試合3得点と活躍したホープが、13日のホーム開幕北九州戦でプロ“デビュー”を目指す。

 前日8日のアンドレジーニョに続き、もう1人の攻撃のキーマンが戻ってきた。戦術練習で三上は控え組左サイドバックを担当。本職ではなかったが無難にこなし万能ぶりをアピールした。「久しぶりで楽しかった。やっとですね。気が締まる」。得意のドリブル突破からシュートを放つなど長期離脱の影響は感じさせなかった。若手中心の午後練習もフル消化するなど合流初日からエンジン全開で動き回った。

 18歳のピチピチの細胞が“奇跡”を起こした。佐川トレーナーは「何か特別なことをしたということはないですが若さが早期回復に影響した可能性もある」と話した。1月25日に手術。全治2カ月の診断で当初は3月全4戦の出場をあきらめたが、約2週間も早い回復で、復帰にこぎつけた。

 石崎監督も大歓迎だ。「離れていた期間が長いからフィジカル面は心配じゃけど戦術的な部分は去年からやってるから問題ない。起用できるならまずFWかな」。両サイドハーフもできる万能系だが、まず前線の新オプションとしてホーム開幕戦構想に加えた。5日の開幕愛媛戦は負傷者続出でベストメンバーが組めなかったが、少しずつ戦力が整ってきた。【永野高輔】