<J2:横浜FC2-0札幌>◇第16節◇12日◇室蘭

 J2札幌は横浜FCに敗れホーム4試合ぶりの黒星を喫した。後半23分、31分とミドルシュートで失点。攻撃陣も今季ワーストのシュート2本と攻め手を欠いた。石崎信弘監督(53)はボランチ芳賀不在をカバーするため“ゼロトップ”布陣で臨んだが、今季初の3連勝はならなかった。

 フラストレーションが、思わぬ形で爆発した。試合後、選手に水を投げつけたファンに主将のDF河合竜二(32)が「水をかけることはないだろ」と怒りをあらわにした。「こんな結果になって申し訳ない。次はしっかり結果が出るよう頑張る」と気を取り直したが、観客席から「次ってなんだよ」と厳しい言葉が投げかけられた。一触即発の事態に、最後はスタッフが制止して収めたが、後味の悪さが残った。

 奇策は実らなかった。先発1トップの位置にはMFアンドレジーニョが入った。左サイドバックで出た上原を除けば先発にFW登録選手はゼロ。だがアンドレジーニョとトップ下のブルーノの連係で崩すシーンはほとんどなかった。「ボールの収まりどころがなく、イージーなミスもありリズムをつかめなかった」と石崎監督。後半から宮沢をFWに上げたが決定機はつくれず、枠内シュートはゼロに終わった。

 芳賀不在も大きかった。宮沢は「ボランチ2人の役割分担が中途半端になってしまった」と振り返った。スタートは岩沼とのコンビで臨んだが、中盤での“汗かき役”がおらず、互いに守備を気に掛け、前に出られず苦しんだ。キーマン不在の試練をどう乗り切りきるか。嫌な流れを早く断ち切り、勢いを取り戻したいところだ。【永野高輔】