<J2:札幌0-0北九州>◇第2節◇6日◇札幌ド

 ゴールが遠い…。札幌は北九州に引き分け、3戦連続ドローとなった。石崎信弘監督(53)は、後半途中からシステムを4-4-2から3-5-2に変えるなど揺さぶったが不発に終わった。ホームでは5月29日岡山戦のオウンゴールから計277分、3試合連続でゴールなし。勝ち点を19に伸ばし10位に浮上したが、依然として得点力不足の課題を残した。

 最後の1発が出なかった。後半ロスタイム、FW内村がGK李のゴールキックを拾って1人で持ち込んだ。タッチライン沿いからゴール前に切り込み、ワントラップしてDFをかわし右足を振り抜いた。誰もが決まったと思った。強烈なシュートだったが、左ポストに当たり、ゴール左へすり抜けていった。「得点を取れなかったことがすべて。ケガでみんなに迷惑を掛けた分貢献したかったのに。悔しい」と内村。石崎監督は「後半は何本かシュートを打てるチャンスがあった。そこで打っていればというシーンもあった。その判断がまだ足りなかった」と振り返った。

 変幻自在の指揮官の采配もゴールには届かなかった。4-4-2でスタートしたが、後半29分にMF古田を投入すると、3-5-2にシステムチェンジ。前線には速さのある近藤、内村の2トップ、トップ下には高さのある上原を入れた超攻撃的布陣で攻め立てた。「崩しのところまでは、いい形があった。何本か決定機を決めきれなかったことが残念な結果につながった」と石崎監督。今季最多のシュート16本を放ったが、最後の精度が足りなかった。

 3試合連続ドローと不完全燃焼な結果ではあるが、1トップ内村が90分戦えるメドがたったことは大きな収穫だ。トップ下で今季初先発の岡本も、得意のドリブルでアクセントになった。石崎監督も「岡本はいいタメをつくっていた。久々に出た選手がチーム内の競争を引き起こしてくれれば、結果はついてくる」と言った。

 中2日で、再び試合が来る。下を向いている時間はない。内村は「クロスからいい形は何回かあった。ゴール前に入るタイミングを練習で細かいところまで話し合っていきたい」と課題を挙げた。勝ち点1を前向きにとらえ、最後のパンチ力を上げていくしかない。【永野高輔】