J2札幌MF古田寛幸(20)が負の連鎖を振り払う。チームは今日9日、ホーム札幌厚別公園競技場で愛媛と対戦。現在、クラブワーストまで1試合に迫るホーム3戦連続無得点。5試合ぶりの先発出場が濃厚なドリブル王子は自らとチームの不調を一掃する1発で、4試合ぶりの勝利に導く。

 がむしゃらにゴールへ突き進む。8日の紅白戦では主力組右MFに入ってプレー。4試合連続先発落ちの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、右サイドバック日高との連係からチャンスメークした。会場は昨年、初ゴールを決めた思い出の地、札幌厚別だ。「結果を出してチャンスをものにしたい」。復活を告げる場所は、ここしかない。

 雌伏のときを経てよみがえる。6月12日の横浜FC戦後に右太もも裏の肉離れとなり先発から外れた。得意のドリブルもキレを失い、ベンチスタートが続いた。今季はまだ無得点とゴールから遠ざかる。シューズをレモンイエローの新色に変え、髪も黒髪に戻したが、原因はそんなことじゃなかった。「もっと自分らしいドリブルを出していこう」。初心に立ち返って勝負に出る。

 石崎監督も「そろそろ古田には頑張ってもらわんとね」と期待を寄せる。現在、実家がリフォーム中のため「居場所がなくて、しばらく帰ってません」と帰省を封印。居場所はピッチにあれば十分だ。苦しみ抜いて“リフォーム”された、ニュー古田を披露する。【永野高輔】