磐田GK川口能活(36)が偉大な先輩の死に心を痛めた。高校の8学年先輩の真田雅則さん(享年43)が6日に急死。7日は気丈にフルメニューをこなした後、取材に応じ「むなしいというか。すごく悲しいです」と沈痛な表情で話した。

 川口が名門・清水商に進学するきっかけとなった人も真田さんだった。川口が小4年時、当時、清水商の守護神として全国高校選手権優勝を成し遂げた真田さんをテレビで観戦していた。「今でも映像はしっかりと覚えている。あの時に高校サッカーを見て、清商でサッカーがしたいと思ったし、真田さんのようなキーパーになりたいと思った」。プロ入り後、同じチームでプレーする機会はなかったが、高校の先輩として、常に目標にしていた。

 8月4日には日本代表と横浜で共にプレーした松田直樹さんが急死した。1カ月間で身近な存在を2人亡くし「正直、精神コントロールするのは難しい」と素直な気持ちを明かした。

 それでも、10日には清水との「静岡ダービー」が控えている。チームはここ3戦で2敗1分けと調子を落としている。絶対に負けられない一戦だが、複雑な胸中のまま試合に臨まなければならないことも事実だ。川口は「僕の周りにはチームのみんながいるし、応援してくれるサポーターもいる。プロである以上、試合に100%集中したい」と、悲痛な思いを語った。【神谷亮磨】