<ナビスコ杯:清水2-1新潟>◇2回戦第1戦◇14日◇アウスタ

 清水は新潟に先制を許しながら前半16分にFW大前元紀(21)が同点ゴール。後半17分からの出場で本拠地デビューしたMFフレドリック・ユングベリ(34)の初アシストからMFアレックス(27)が同29分にゴールを決め逆転勝ちし、準々決勝進出に大きく前進した。第2戦は28日に行われる。

 若きオレンジ軍団をFW大前が引っ張った。1点をリードされた前半16分。20歳のFW高木の左クロスを大前が頭で合わせた。ほぼ角度の無い位置から、ゴールポストすれすれを狙う、難易度の高いヘディング弾をねじ込んだ。「勝ってアウェーを楽にしたい」と、10日の磐田戦に続く公式戦2戦連発弾を決めてみせた。

 この試合は全先発メンバーに20代の若武者たちが名を連ねた。立ち上がりは経験不足を露呈するかのような単純なミスを繰り返し、試合開始わずか6分で先制点を奪われた。だが、大前のゴールを機に徐々にペースを取り戻し、ゴトビ監督も「よく回復した。しっかりゲームをコントロールできている」。後半11分にはDF岩下のロングパスで大前が抜け出し決定機を迎えるなど新潟ゴールに迫った。

 逆転弾を演出したのは34歳のセクシースターだった。後半17分から途中出場したユングベリが魅せた。同29分、FW鍋田がキープするボールを持ち出し、前線へドリブルすると、2列目から走り込んだアレックスへ絶妙なスルーパスを通した。これをアレックスが冷静に流し込み逆転に成功した。「焼き鳥、すし(ただしかっぱ巻きだけらしい)、鉄板焼き、どれもおいしいね」と日本の生活にも慣れてきた。「静岡の109で買ったんだ」と話す、フレームがポップ柄のド派手なサングラスがお気に入りのユングベリが、移籍後初アシストをマークした。若手と1人の大ベテランのハーモニーがチームに公式戦5戦ぶりの白星をもたらした。【為田聡史】