<J1:広島1-3柏>◇第30節◇22日◇広島ビ

 柏がFW北嶋秀朗(33)の2得点の活躍で広島に逆転勝ちし、首位を守った。北嶋は後半9分に途中出場すると1-1で迎えた同37分にヘディングで勝ち越しゴール、同42分にはFKのこぼれ球を押しこんだ。7月23日鹿島戦以来3カ月ぶりの得点で、目標としていた背番号と同数の9ゴールをマークした。

 「あれ、得意なんスよ」。ヒーローは笑顔で切り出した。右からのクロスに相手守備の背後でフリーの状態になっていた。バックヘッドでそらすように軌道を変えるとゴールが決まった。「34試合を終えた時点でトップに立っていたい」と話したが「順位を気にできることがうれしい」と素直な気持ちも口にした。

 今季は田中、工藤の台頭もあり北嶋の出番は保証されていない。前節山形戦では8戦ぶりの先発も、広島戦はベンチ。北嶋は「点を取れたことがうれしい。ベンチから出たときに結果を出さないと。自分の存在意義を見せないといけない」とFW陣の競争がベースアップにつながっていることを話していた。

 00年以来の優勝争いだが「当時と違って結束力がある。ベンチ外の選手も勝つことに執着している。今の雰囲気がいとおしく思えるくらい」とベテランならではの答え。広島戦では2日前に現地入りして備えた。「膝の具合もあるし、前々泊はよかった」とスタッフへの感謝も口にした。残り4試合。最後に頂点に立つことを目指し、北嶋は走り抜く。【加納慎也】