さらなるメンバー変更の可能性にも、動じる気配はまるでない。仙台手倉森誠監督(44)は16日の天皇杯3回戦(対福岡)に向け、大胆なメンバーの入れ替えを示唆した。14日のゲーム形式の練習では福岡戦でボランチ起用を考えていたMF田村直也(26)を右サイドバックに。中盤はワンボランチとする可能性も口にするなど、最大で主力6人が不在となる試合で逆に選手層の厚さを見せつけるつもりだ。

 日々変化する状況にも、自信がみなぎる。手倉森監督は「今シーズン、全員が(復興への)希望の光になりたいとやってきて、出番のなかった選手がいかにいい準備をしてきたか分かる」と、あらためて控えの充実ぶりを強調した。

 この日、身内に不幸があったMF菅井が練習を欠席。福岡戦出場は不透明で、左太もも裏に不安を抱えるDF角田の欠場も決まった。すでに故障や代表戦で主力4人の欠場が決定済み。日に日に離脱者が増えても、冷静に布陣を組み直した。ミニゲームでは今季初めてボランチで使うつもりだった田村を右サイドバックで起用。開始早々で退いた角田の代わりにはMF高橋を入れた。

 手倉森監督は「松下がワンボランチでいければ…」とも話し、さらなるシステム変更を視野に入れている様子。その場合、10日に行った山形との練習試合でともに得点を決めたFWディエゴ、武藤らの2列目起用が濃厚になる。特に武藤については練習試合で結果を出し続けており「彼の好調さを見れば、今がそういうタイミングかな」と初スタメン起用をにおわせた。

 目まぐるしいメンバー変更によるコンビネーションの不安については、田村が「残っているいい状態の選手で、勝ちを取りにいきたい」とチーム全体の思いを代弁した。指揮官だけではない。誰もが前向き。手負いの今こそ、ベガルタの底力を見せる格好のチャンスになる。【亀山泰宏】