櫛引、定位置奪還へ-。J2札幌が15日、札幌・宮の沢で戦術練習を行った。U-19アジア選手権予選から戻ったDF櫛引一紀(18)は主力組センターバックに入りアピールした。前節大分戦までは、代役として出場していた高校生DF奈良竜樹(18)が4戦3完封と貢献。20日の草津戦(正田スタ)は同世代のライバルとの競争に勝ち、定位置を奪い返す。

 この日の戦術練習で櫛引は至近距離からのシュートを顔面でブロックした。気持ちのこもった守備こそが櫛引流だ。「焦らず自分のできることをやるだけ。試合に出たい」。帰国直後にスタンド観戦した12日大分戦は、後輩の奈良が森島、前田らJ2屈指の攻撃陣を完封する姿を目の当たりにした。危機感は急上昇。世代別代表として、体を張ったプレーでレギュラー奪回を目指す。

 U-19アジア選手権予選(タイ)は4試合中3戦にフル出場し270分1失点と奮闘。それでも石崎監督はさらなる成長を期待し、戦術練習前に「ダメだったら、また奈良ちゃんを呼ぶからね」と、あえてプレッシャーをかけた。今週の奈良は授業優先で、この日の練習は不参加。櫛引の状態次第では草津戦強行出場の可能性もある。激しいチーム内バトル。この緊張感が、昇格へ向けたエネルギーに変わる。【永野高輔】