昇格ならビッグプレゼントだ!

 J2札幌のメーンスポンサー石屋製菓が、J1昇格の場合、来季支援額を今季の1・5倍となる1億5000万円に増額することを検討していることが1日、分かった。同社は10年に5000万円増の1億円を支援。2年ぶりの増額で昇格後のチームをサポートしていく。クラブ側も来季は組織改革を行い、チケット、グッズ販売の安定化を図っていく。

 頼れるメーンスポンサーが早くもJ1昇格を見据えて動きだした。同社幹部は「J1なら最低でも5000万円は増額できるだろう。それだけの価値がある」と明かした。クラブ創世時の96年からチームを支えてきた“功労社”が、J1定着を後押しする。スポンサー料はクラブ経営を支える収入の柱。5000万円のJ1ボーナスで、来季の選手補強につなげる。

 最終東京戦で昇格がかかるチームにとっても大きな励みだ。ある選手は「絶対にJ1に上がりたい。そのために1年頑張ってきたのだから」と意気込んだ。J1昇格は新規スポンサー獲得へ向けた絶好の切り札だ。クラブでも積極的に新規スポンサー獲得に動いており、矢萩竹美社長(61)も「早い段階から昇格した場合に備えて営業部門が動いている」と話している。J1になればテレビ、新聞の露出度も増加するだけに今後、同社だけでなく支援増を申し出るスポンサーが続出する可能性は高い。

 クラブ自身の“体力アップ”も図っていく。来季から営業、チケット、グッズの3担当者が連係した「マーケティング事業部」を新設する。浮き沈みが激しいチケット、グッズの販売数を安定させることが狙い。関係者は「スポンサーがつけば潤い、離れると傾く従来のスタイルでは生き残れない。自前の商品をしっかり売り出せるように」と話した。昇格という節目を経営再建のきっかけにする。

 本年度は約9700万円の債務超過となる見込み。震災による日程変更などもあり厳しい1年ではあったが、J1昇格で締めくくれば来季への期待はふくらむ。スポンサー営業と、クラブ自体の組織改革を同時進行させ、経営もJ1級に補強していく。