G大阪と対戦(アウスタ)する清水は引き分け以上で今季の勝ち越しが決定。アフシン・ゴトビ監督(47)が18年ぶりとなる1年目での勝ち越しを狙う。

 記念すべきシーズンにするために、黒星は許されない。清水はG大阪戦に向けて完全非公開で前日調整を行った。優勝争い演じる強敵との対戦に、ゴトビ監督は「相手はすべてをぶつけてくる。こちらも最低でも相手と同じモチベーションで戦わないといけない」と表情を引き締めた。現在11勝12分け10敗の9位で、最終節の結果次第で浮上するとしても7位まで。ただ、引き分け以上で勝ち越しが確定すれば、クラブにとって史上2人目の“快挙”が見えてくる。

 就任1年目でシーズンを通しての勝ち越しは、93年のレオン監督以来18年ぶりになる。それと同時にゴトビ監督にとって、G大阪戦は真価を問われる試合になる。元日本代表MF小野が左膝の負傷に加え、2日の練習を発熱で回避。さらに助っ人のMFユングベリも左ふくらはぎ痛で欠場が濃厚だ。2人の司令塔を欠きながらの戦いを強いられるが「ベストな選手2人がいないが、ビジョンは同じ。ほかの選手も準備はできている」と強気に話した。

 若手を積極的に起用し、攻撃的サッカーを浸透させてきた成果が、ここで問われる。「素晴らしいプレーができるように、それぞれの役割を発揮させたい」と自信はある。選手が代わってもやることは同じ。「成功の鍵を握るのはセットプレー。バリエーションを多く練習している」と秘策も用意した。

 チームは天皇杯を残している。来季も続投することが確実の指揮官は「チームがトップになるための基盤はできている」。貯金を大きな財産にする。【栗田成芳】