<J1:清水1-3G大阪>◇最終節◇3日◇アウスタ

 清水はG大阪に逆転を許し、2つ順位を下げる10位に終わったが、FW伊藤翔(23)がプロ初ゴールを決めて天皇杯4回戦(17日=J2千葉)に弾みをつけた。

 2点差にするビッグチャンスが、一瞬で同点のピンチに変わった。清水は1-0で迎えた前半32分、ゴール目の前での絶好機をFWアレックスが左に外した。すると相手の素早いリスタートからカウンターを受け、一転して同点に追いつかれた。リズムを失ったチームは、その7分後にCKから逆転弾を許し撃沈。ゴトビ監督は「チャンスを逃した後の失点は起こり得ること。あれがターニングポイントだった」と敗因とした。

 最終戦をホームで迎え、今季2度目の3連敗でリーグ戦を終えることになったが、唯一の収穫は先制点につまっていた。前半9分にFW高原と大前のパス交換で右サイドを崩し、DF辻尾の右クロスに頭で合わしたのが、今季約6カ月ぶりに先発したFW伊藤だった。右膝の手術から復帰を果たし「やるべき仕事をして貢献したい」と臨んだ一戦。移籍後初ゴールを最後の最後で決めた。

 11勝12分け11敗の10位で今季リーグ戦を終了。勝率5割は喜びの数だけ、反省もある。試合後のセレモニーでMF小野主将は「まだ納得のいく結果を出せていないが、まだ天皇杯という大事な試合はある。ピッチで暴れたい」と宣言して締めくくった。【栗田成芳】