ロンドンイヤーは前で勝負!

 J2札幌MF宮沢裕樹(22)が9日、札幌市内のクラブ事務所で1回目の契約更改交渉を行った。200万円増の800万円の提示を受け、初回とあり保留した。今季は主にボランチとして34試合に出場。主力としてシーズン通して活躍したことが評価された。J1となる来季は、今季目立った守備的要素より攻撃的プレーでアピールし、ロンドン五輪出場を視野に入れる。(金額はいずれも推定)

 宮沢が原点回帰でロンドンを目指す。今季は主に守備的役割も重視されるボランチで34試合に出場。J1の来季は大舞台への逆転選出をにらみ、あえて攻撃的プレーを前面に押し出す。「僕の持ち味は攻撃。クラブからも言われたがJ1ではそこを改善していきたい」。目標の2ケタ得点には及ばない4得点止まり。来季は08年にプロ入りした時と同じ、点取り屋としての感性も生かす。

 狙うは逆転五輪切符だ。09年4月に世代別代表合宿に招集されて以降チャンスは遠のいた。「近くに五輪という目標がある。J1に上がることでチャンスはふくらむ。そこも狙ってアピールしたい」。関塚監督になってからは1度も呼ばれていないが、予備登録メンバーには入っている。同監督を振り向かせるためにも、とにかく前で勝負する。

 雪辱の思いもある。3月5日の開幕愛媛戦はトップ下で出場したが、チャンスをつくれず無得点で後半15分に最初の交代となった。「あのときの悔しい思いもある」。今年はMFブルーノを補強し、クラブ構想では宮沢は1・5列目やFWとして得点力を発揮することがテーマだった。それがシーズンの出はなでつまずいた。昇格に貢献しても充足感はない。今年はあえて「数字は関係ない。とにかくたくさん点を取る。そこに集中したい」。上限は定めず1点でも多くゴールを上積みしていく。

 来季で5年目。この日は札幌市内でCM撮影に臨むなど、チームの道産子最年長選手として、ピッチ外でも先頭を切って走っている。「まずJ1で結果を出していけば海外への道も開ける。いろんなことに自信を持って臨んでいきたい」。同学年のFW大津祐樹がドイツに新天地を移したことも刺激になっている。J1、ロンドン、そして世界へ。12年の10番は飽くなき挑戦を続けていく。【永野高輔】