“岡ちゃんライン”で中国市場開拓だ!

 札幌が中国スーパーリーグ杭州緑城の岡田武史監督(55)と情報交換し、戦力補強につなげるプランがあることが10日、分かった。岡田監督は99~01年の3シーズン、札幌を指揮しており縁は深い。長期的J1定着に向け、同監督との人脈を生かし、有望戦力の発掘や選手情報の交換などを行っていく。

 札幌が、名将との絆を最大限に生かす。岡田監督との連携について、クラブ幹部は「補強に必要とされる人脈は、すべて生かしていきたい」と明かした。強化部には三上大勝部長(40)ら、岡田監督が札幌に在籍していた当時からの旧知が多い。今後は同監督と今まで以上に連絡を密にし、中国での人材発掘につなげていく。

 経済発展著しい同国サッカー事情は、急激に変貌を遂げている。元フランス代表のチェルシーFWアネルカ(32)が、今季から上海申花への移籍を決めた。レベルの高い外国人選手の加入が増えており、並行して中国人選手自体の能力も上がっている。岡田監督も杭州緑城監督就任時に「若い選手に素晴らしい選手が何人もいて驚いた」と話すなど、育成システムは徐々に結果として表れている。強力な経済力を背景に今後、世界サッカーの有力市場になる可能性は高く、その波に札幌も乗っていく。

 中国人選手は05年にMF徐暁飛が在籍していたが、日本の大学からの加入だった。昨季は中国スーパーリーグ遼寧からMFアンドレジーニョを獲得しているが、純粋に同国リーグから中国人選手を補強した例はない。今後、育成、スカウト力にたけた前代表監督と連携して本格的に情報収集に乗り出せば、資金難に苦しむチームにとって、効果的な補強市場になるはずだ。

 昨季は韓国市場からGK李を獲得。正守護神としてJ1昇格に貢献した。一昨年11月にはナイジェリア人練習生2人を招くなど、南米、欧州だけではないグローバルな視点で情報収集を実践。今度は中国マーケット本格開拓で、長期的J1定着への基盤をつくる。