【バンコク=亀山泰宏】仙台手倉森誠監督(44)が19日、MF梁勇基(30)不在で開幕を迎える覚悟を明かした。梁は前日18日のブリーラムPEA戦で右足の内側靱帯(じんたい)を負傷し交代。今日20日の帰国後に九州の病院で精密検査を受けるが、重傷の可能性もある。3月10日の開幕戦(対鹿島)出場も厳しくなってきたが、指揮官は大黒柱を欠いても総力戦で乗り切る腹づもりだ。

 開幕前最大の危機にも、手倉森監督は力強く言い切った。「アクシデントがなければ一番。でも選手層を厚くして、ケガ人が出てしまった時に補っていく。それがチームだと思う」。梁は後半途中から出場した前日の試合で相手のラフプレーにあって負傷交代。試合後は右膝周辺を器具で固定しながら歩いてバスに乗り込んでいた。詳細は精密検査待ちだが、同監督は「前十字靱帯の方も痛めているかもしれない。開幕は難しい。長くて(復帰まで)2カ月」と予想する。

 一方で「回復力の高いヤツだから、それに期待するしかない」とも話した。今季はボランチ起用も模索するなど手倉森構想には欠かせない存在。ブリーラムPEA戦でも、梁の投入から流れが変わって同点に追いついた。それだけに早期復帰を願いつつも、希望的観測に頼るわけにはいかない。空席となる左サイドハーフには、松下や新外国人サッコーニの起用、右サイドハーフが本職の関口を回すといった選択肢が有力だ。チームが「一人二役」を理想に掲げる分、太田や武藤といった、FWでも2列目でも力を発揮できる選手が多いのは不幸中の幸いだ。

 梁が長期離脱となれば、スタートダッシュに大きすぎる痛手。それでも本気で優勝を狙うからこそ、アクシデントで立ち止まるわけにはいかない。「いろいろと考えている。日本に帰ってからやっていく」と思考を巡らせた。逆境をチーム力で克服し、大黒柱の復帰を待つ。