<J1:G大阪1-2磐田>◇第3節◇25日◇万博

 G大阪のセホーン監督(61)が、解任危機に陥った。ホーム磐田戦を落とし、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を含め開幕から公式戦5戦全敗。J2降格圏の16位に低迷するなど、一向に復調の気配がなく、試合後にクラブ首脳が指揮官の去就に関して約2時間の緊急会議を開いた。金森喜久男社長(63)は即座の解任を否定したものの、関西の名門が迷走状態になった。

 G大阪が早くも監督交代の危機的状況に陥った。93年のJリーグ創設時から、クラブ史上初のリーグ戦開幕3連敗。ACLを含めると公式戦5連敗の光の見えない泥沼にはまった。セホーン監督の責任問題に発展。金森社長と山本浩靖強化本部長ら、クラブ首脳が試合終了後から会場内の一室で緊急会議を開いた。

 金森社長はセホーン監督の解任について、現時点では「ない」と否定。その一方で、昨年末にセホーン監督と呂比須ヘッドコーチの招聘(しょうへい)に動いた山本強化本部長は「最終的に決めるのは社長。わずかながら(次節)新潟戦でセホーン監督が指揮を執る可能性はある」と微妙な言い回しをした。金森社長は「経営者はどういう状況にあっても(責任を取る)覚悟はしている」という。指揮官解任の場合は、フロント陣も総辞職する可能性も出てきた。

 昨季まで10年間指揮を執った西野前監督が退任し、常勝クラブへの改革を進めるはずだった。それが、ブラジル人指揮官との連携がかみ合わない。セホーン監督は「これからも同じように誠実に透明な形で仕事を続けていきたい」。だがこのままでは、現体制はそう長くはない。【益子浩一】

 ◆不吉データ

 磐田FW前田が07年以降、リーグ戦でその年最初のゴールを奪った相手は、07年甲府、08年東京V、09年千葉、10年京都、11年山形と、5年連続でその年J2に降格している。J元年から参加のG大阪は1度もJ2経験がない名門だが、果たしてどんな結果が待つのか。