<J1:鹿島3-2C大阪>◇第7節◇21日◇カシマ

 鹿島がホームでC大阪を相手に2点差をひっくり返して逆転勝利を飾り、リーグ戦(チャンピオンシップを含む)のカシマスタジアム通算200勝目を挙げた。MF遠藤康(24)が後半40分に劇的な逆転ゴールを奪い貢献。リーグ戦開幕5戦未勝利と一時はどん底に陥った名門が、リーグ戦2連勝で息を吹き返してきた。

 名門鹿島の期待のレフティーが試合を決めた。2-2で迎えた後半40分、MF遠藤が値千金の逆転弾を突き刺した。DF西からのパスをペナルティーエリア内の角度のない地点で受けると左足を強振。「センタリングを上げようと思ったけど、GKが前に出ていたから狙えば入るかなと思った」。一瞬の判断力がチームをリーグ戦2連勝に導いた。

 リーグ戦5試合未勝利のどん底から脱出した14日の東京戦の勝利から1週間。この日は、その勢いをいかせずに劣勢を強いられた。序盤の好機を逃すと、逆に前半で2失点。ただ主将MF小笠原が「最後まであきらめずに戦えた」と振り返ったように、切れない気持ちが勝利を呼び込んだ。

 どん底を味わったからこそ、チーム全体で見直せたものがあった。「スタートが悪かったから、1試合1試合を大事に戦おう、1試合1試合を勝っていこうという気持ちが強くなった」と遠藤。未勝利のころは「試合巧者」鹿島とは思えない勝負に淡泊な部分が垣間見られたが、苦しみあがいた反省があったからこそ「チームで勝ちたい気持ちを出せた」(小笠原)という原点に立ち返れた。

 2点ビハインドで交代出場したMFドゥトラが後半12分に1点を返すと、同17分にはドゥトラのクロスをFW興梠が合わせ、リーグ戦3戦連発となる同点ゴールをゲット。ジョルジーニョ監督の采配も当たり、先発と控えがかみ合った。

 不調で前半31分で交代させられた2年目のMF梅鉢には、試合後に小笠原が「おれも若いころ開始すぐに代えられたことがある。必ずこれがお前の経験になる。気にするな」とフォローを入れるなど、チーム一丸のムードも高まっている。殊勲の遠藤は「勝つと気持ちも楽になる。勢いもつく」と言った。リーグ戦のカシマスタジアム200勝は反撃への1歩でしかない。【菅家大輔】