<J1:浦和1-0清水>◇第12節◇19日◇埼玉

 今季2度も退場者を出しながら逆境をはね返してきた清水イレブンだったが、3度目の奇跡は起こらなかった。浦和に完封負け。公式戦6戦ぶりの黒星を喫し、DFカルフィン・ヨンアピン(25)がユニホームを頭からかぶり、FW高木俊幸(20)は膝に手を置いたまま、ぼうぜんとピッチを見詰めた。アフシン・ゴトビ監督(48)は「守りを固める相手を崩すのは難しかった。もっとアクションを起こさなければいけない。危険なゾーンでの質も足りなかった」と、淡々と振り返った。

 試合開始からボールは保持。しかし、5バックで守る浦和DF陣の裏を突く動きが無く、脅威を与えられない。攻撃のスピードを上げる効果的な縦パスも少なく、前後半合わせてシュートは5本。前半42分にCKから失った1点を、最後まで返すことはできなかった。高木は「サイドで起点も作れず何もできなかった」と、肩を落とした。

 順位は3位に後退。さらに、次節ホーム横浜戦ではDF吉田とMF村松の五輪組、この日後半9分に今季2度目の退場処分を受けたFWアレックスも2試合の出場停止により欠場する。FW大前は「優勝するために連敗は許されない。ホームだし、誰が出ようと負けられない」と話した。正念場で真価が問われる。【前田和哉】