<J2:山形1-0徳島>◇第21節◇24日◇NDスタ

 J2山形は徳島を1-0で下し、4戦ぶりの白星を挙げた。前半は、昨季まで山形で指揮を執った徳島小林伸二監督(51)らしい堅守に苦しめられた。だが後半13分、右サイドを駆け上がったDF小林亮(29)がゴールライン上をドリブル突破。そのまま流し込み、実に4季ぶり、09年の山形移籍後初の得点を決めた。東京Vが敗れ、2位千葉と3位湘南の試合はドロー。3節ぶりに首位に立った。

 「小林徳島」の堅守を、山形の小林が打ち破った。後半13分、右サイドをオーバーラップし、敵陣深くでパスを受ける。相手のチャージを食らい、ふらつきながらも決して倒れることはない。タッチライン上を駆け上がると、GKオ・スンフンの動きに合わせるようにゴール左へシュート。08年の大分時代(当時J1)以来4年ぶりの1発は、山形移籍後初得点となった。

 “幻のゴール”を現実に変えた。前節町田戦(17日=0-0)の後半24分。DF石川のPKがGK修行(しゅうぎょう)にはじかれた直後、FW中島のクロスに合わせてネットを揺らした。そのままサポーターの元へ駆け寄り、共に喜びを分かち合っていたところで主審の笛。まさかのオフサイド判定で白星とゴールを失った。前々節湘南戦(13日=1-2)でも全く同じ判定に泣かされたが「三度目の正直」でもやもやを吹き飛ばした。

 それでも前半は苦戦した。まるで一昨年までの山形を見ているような「ベタ引き」で守る徳島。それもそのはず。率いているのは昨年まで4季にわたって山形を率いた小林監督。押し込んでも押し込んでも決定機をつくることができず、じれったい時間が続いた。それだけに、一瞬のスキをついた小林のゴールはまさに値千金。東京Vが敗れ、千葉対湘南は引き分け。“伏兵”の一撃で再び首位に躍り出た。