“ちゅら弾”3連発で1000号と勝利をダブル奪取する。札幌は今日1日、札幌ドームで清水と対戦する。前節G大阪戦まで2戦連発中のFW上原慎也(25)は、10試合連続のベンチ入り。沖縄生まれのスーパーサブが、クラブ初となる途中出場での3戦連発を狙う。札幌の公式戦通算1000点目までは残り2点。勝負どころで登場し、メモリアル弾と3戦ぶり勝利を一挙に引き寄せる。

 沖縄が生んだ北のスピードキングが“早業”3連発の偉業に挑む。札幌・宮の沢で行われた8月31日の紅白戦では、控え組の左MFに入りプレー。俊足を生かし主力DF陣をかき回した。「出番が来たら、とにかく連続でゴールを求めていきたい」。09年5月5日、栃木戦でプロ初ゴールを決めた思い出の札幌ドームで、自身初のシーズン4点目を狙いにいく。

 決定力はただものではない。7月28日の名古屋戦は出場から20分、8月18日仙台戦は同17分、25日の前節G大阪戦は同26分でゴールを決めてきた。「ピッチ脇でアップしている間に試合の流れ、どこにスキがあるか見て狙うところを考えている」。試合前には沖田コーチのアドバイスを受け、相手DFの弱点研究に没頭する。過去8発すべて途中出場で決めてきた“仕事師”が、万全のスカウティングで清水討ちを目指す。

 狙うは勝利とメモリアル弾だ。札幌の公式戦全ゴールは現在998。節目の1000号まで2点に迫った。「大きな節目。何とか点を取って、自分も絡んでいきたい」。札幌が清水に勝ったのは過去、01年9月15日の対戦の1度しかない。そのときもヒーローは控え選手だった。延長前半14分、後半途中出場のFW堀井が延長Vゴールを決め、3-2と劇的勝利を飾った。舞台は同じ札幌ドーム。背番号26が、新スーパーサブとして、11年ぶりドラマを再現させる。

 最近4戦3発。瞬間的な爆発力で勝負する“代打の神様”も、家庭では昨年12月に誕生した長男瑠晴(るい)君と遊ぶのが大好きなマイホームパパになる。「本当にかわいくて。とても癒やされますね」。オンとオフ、メリハリを大事にするハンターが、9月攻勢のスイッチを入れる。【永野高輔】