<J1:広島2-1仙台>◇第25節◇15日◇広島ビ

 広島は仙台との頂上決戦を制して首位を奪回した。決勝弾を決めたMF高萩洋次郎(26)は、FW佐藤と抱き合って祝福した。

 同点の後半33分だった。MF石川のクロスに相手GKがはじいたところを左サイドで高萩は待ちかまえていた。右足で押し込むゴールに、何度もこぶしを握りしめた。6月16日C大阪戦以来、今季3得点目だ。「GKがはじいたところを思い切り蹴り込みました」。冷静な男は大一番を制して静かにほほ笑んだ。

 8日の天皇杯2回戦ではFC今治にまさかの初戦敗退。チーム全体で1週間かけて気持ちを切り替えた。「天皇杯で負けた分、この試合にぶつけようと思った」と力強く振り返った。

 10年にナビスコ杯でニューヒーロー賞を受賞しながら、昨年もリーグ戦では先発から外れる機会が多かった。森保新監督になって今節まで全試合に出場して貢献してきた。「まだシーズンが終わったわけではない。今年はしっかり最後まで続けていきたい」。チーム初の年間タイトルをもぎ取った時、高萩が本物の笑顔を見せるときかもしれない。【中牟田康】