磐田は11月30日、今日1日に行われる最終節G大阪戦に向け、試合が行われるヤマハスタジアムで約1時間半の非公開練習を行った。FW前田遼一(31)はケガで欠場した10月20日の横浜戦を含めると、10試合連続無得点が続いている。チームも8戦勝ちなしと相変わらずの足踏み状態。それでも、この日、報道陣に公開された冒頭のウオーミングアップでは終始笑顔を見せ「勝てるように頑張ります」と9試合ぶりの勝利を誓った。

 自身にまつわる「都市伝説」がある。リーグ戦でシーズン初ゴールを決めた相手が07年以降5年連続でJ2に降格している。今季初得点はG大阪から挙げた。不吉なデータはサポーターから“デスゴール”と呼ばれているほどだ。しかし、当の本人は普段通りを貫くだけ。FWとしてチームを勝利に導くことしか考えていない。相手は残留が決まっていないだけに試合序盤から執拗(しつよう)なマークを受けることが予想されるが「相手は関係ない」と語気を強めた。

 今日1日のG大阪戦は4年ぶりにチケットが完売。前田は「満員の中でプレーできることは選手にとってやりがいがある」と静かに闘志を燃やす。不動のエースが目覚めの1発で今季を締めくくる。【神谷亮磨】