清水は5日、水原三星(韓国)と練習試合(45分×2本)を行い、主力メンバーが今季初実戦に臨んだ。試合は主力組が下がった2本目に1点ずつを加えて引き分けに終わったが、アフシン・ゴトビ監督(48)が今季から取り入れる新布陣の「トリプルボランチ」が一定の形を示した。

 MF杉山浩太主将(28)MF李■洙(21)MF村松大輔(23)の3選手を中盤の守備的位置に配置。序盤から相手の攻守の起点となる位置で常にプレッシャーをかけ続けることで、安定した守備につながった。今季、アジア・チャンピオンズリーグにも出場する韓国の強豪を相手に45分間を無失点に抑えた。ゴトビ監督は「組織が崩れることがなく、守備の面ではよくできていた。戦術の理解度も高まってきている」。村松も「FWにボールが入った時も確実に対応できている。最初の試合にしては、まずまずの出来だったと思う」と手応えを口にした。

 一方、攻撃時にFW陣が孤立する場面もあり無得点に終わったが、指揮官は「アウェーで失点をしないために今日のようなシステムがある。現時点では、オプションの1つだと考えている」と説明。悲願のリーグ制覇を目指す上で、リードした試合を勝ちきる戦術だ。アウェーでの負けない戦い方を備えていることは1つの強みでもある。鹿児島キャンプがスタートして4日。開幕に向けて着実に準備が進んでいる。【前田和哉】※■は王ヘンに民