良薬の4失点-。札幌は10日、キャンプ地の熊本・大津運動公園で韓国Kリーグ水原三星と35分3本の練習試合を行い2-4で敗れた。大量失点も財前恵一監督(44)は、守備面に関しては意識付けの浸透に手応えを示した。今季ACLに出場する韓国の強豪との実戦で得た課題を、今後のチームづくりに生かす。

 悪い部分は早いうちに出し切った方がいい。相手は北朝鮮代表FW鄭大世らを擁する難敵。強靱(きょうじん)なフィジカルと早いプレスに戸惑う部分はあったが、2人目、3人目で奪う守備意識に関しては進歩があった。財前監督は「中盤の狙いとか、うまくはまる部分もあり、相手にロングボールを蹴らせる場面もつくれた。山口戦よりステップアップしていた」と評価。実戦2戦目のDFパウロンも「ミスで失点したが、完璧に崩されてはない」と前向きに話した。

 今日11日のオフを挟み、12日からフィジカルトレを抑えめにし、戦術を重点的に組み込んでいく。守備原則が浸透する半面、課題は攻撃。財前監督は「全然だね。全体的に反応が遅い。ボールのところは頑張っているけど、周りがぼけっと見ている。出しますよ、なんてパスは狙われるのが当たり前。もらえるところにみんなが反応しないとね」と指摘した。合宿2週目以降は、財前サッカーの得点スタイル構築にも、時間を割いていく。

 「反省点が出ることが前提でやっている。下を向かずにコミュニケーションを取って修正したい」とDF前。自分たちの現状を把握し、開幕まで逆算して、チームを完成形に持っていく。【永野高輔】