前田のデスゴールのお鉢が回ってきた。浦和は6日、ホームに磐田を迎え撃つ。3日のACLは敗れたが、Jリーグはここまで3勝1分けと負けなしで好調をキープしている。万が一、前田にゴールを許すことがあっても、過去のデータが、浦和のタイトル獲得を後押ししている。前田、そして磐田を恐れず、優勝を目指す。

 浦和はデスゴールを恐れない。万が一、前田に初ゴールを献上しても関係ない。それどころか、デスゴールが浦和のタイトルをもたらすエンゼルゴールになる可能性さえある。

 07年から昨季まで6年連続で続く伝説。それが始まる2年前の05年4月の8節に、浦和は洗礼を浴びかけた。前田の初ゴールなどで2-2の引き分けに終わった。その試合だけに限れば喜べないが、降格どころか天皇杯での優勝が待っていた。

 さらに伝説の解釈の幅を広げ、ナビスコ杯も含めても浦和に負の要素はない。03年3月のナビスコ杯で、浦和は前田にシーズン初ゴールを許し0-2で敗れた。敗戦スタートではあったが、03年に浦和はナビスコ杯を獲得している。ゴールされたとしても、タイトル獲得への吉兆でもある。

 クラブ関係者は「完封して勝つのが一番なのはみんな分かってる。でも前田に取られても試合に勝って、シーズンを優勝して終えればいい。そうすれば来年から、前田もデスゴールって言われないし、楽になるでしょ」と言う。磐田で前田と同僚だったDF那須大亮(31)は「もうそっとしておいたほうがいい。そういうことを消化できるタイプじゃないんで」と気遣った。

 磐田戦の4月6日が27回目の誕生日のDF森脇良太(26)は「ついにこの時が来たなと。浦和の時もやらせない。しっかりゼロで抑えて誕生日と二重の喜びにしたい」と、エンゼルゴールには耳を貸さず完封にこだわった。

 3日のACL全北現代戦はホームで完敗したが、まだ予選突破の可能性は残っている。一方、リーグ戦は2位と実力クラブとしての底力を感じさせる序盤戦だ。浦和はデスゴールを意に介さず突き進む。【高橋悟史】