<J2:鳥取0-2札幌>◇第9節◇17日◇とりスタ

 ベテランが主将不在のピンチ救った!

 札幌は鳥取に勝利し、前節徳島戦に続き今季初の2連勝を飾った。チーム最年長35歳のMF砂川誠が前半20分にFKを直接決め先制。同24分には2点目の起点になるなど奮闘した。主将の河合竜二(34)が今季初めて負傷欠場も、札幌11年目の最古参がチームを引っ張りJ通算600戦目を飾った。チームは今日18日から大阪ミニ合宿に入り、21日の長崎戦(長崎県立総合運動公園陸上競技場)で3連勝を狙う。

 ベテラン砂川の右足が、札幌の今季初連勝を呼び込んだ。まずは前半20分だ。MF宮沢が相手ファウルを誘って得たFKのチャンスで、ゴール左隅に突き刺した。「素直にうれしいし、試合を優位にすすめるために重要なゴールになって良かった」。10年12月4日の最終熊本戦以来の直接FK弾で、流れを呼び込んだ。

 4分後の同24分には、右クロスを宮沢に合わせ、こぼれた球から岡本の2点目が生まれた。「宮沢があそこにいたのは分かっていたし、そうやってチャンスをつくるのも自分の役目だからね」。最古参の2ゴールに絡む活躍に財前監督も「試合の最初から攻撃も守備も、チームを引っ張ってくれた。いい動きをしてくれた」と喜んだ。

 この日、徳島戦で負傷した主将の河合が左大腿(だいたい)部肉離れで全治6~8週と発表された。大事な連戦を前にした精神的な支柱の離脱。そんな中、最年長はリードしながらも3点目を決められない状況で「このままじゃやられるぞ」と鼓舞し続けた。目指すはプレーオフ圏。それだけに「遠いところまで応援にきてくれているサポーターにもっとゴールを見せたかった」と、貪欲な姿勢を貫いた。

 得点へのこだわりがあった。札幌では11年まで9年連続得点も昨季、途切れた。オフにはクラブからアカデミーの指導者としてのオファーを受け引退も考えた。それでも、あえて現役にこだわり、両足首の手術に踏み切った。これが11年11月6日東京V戦以来1年5カ月ぶりのゴールだった。「点を取る、取れるということを監督に示したかった」。その執念を、今季10点中半分の5得点に絡むという結果で示してきた。

 チャンスメーカー兼ご意見番として、これからも力を発揮していく。「勝って反省する方が負けて反省するよりいいんでね。ただ勝っただけのゲームにしちゃいけない。感じたやつがどんどん言っていかないとね」。札幌最多367試合出場の背番号8が、若いチームを、びしっと引き締めていく。【永野高輔】