苦しいときこそ前向きであれ-。J2札幌は4日、札幌・宮の沢で調整を行った。財前恵一監督(44)は、12試合でプレーオフ圏と勝ち点6差の状況について「これだけ負けていても離されてない。ある意味、チャンス。ここからが大事」と言及。前日3日の京都戦に敗れて18位に低迷も、プラス思考で逆境に立ち向かう姿勢を説いた。

 指揮官の目は常に上を向いていた。4勝1分け7敗と負け越してはいるが、京都戦では内容の進化を感じ取っていた。リーグ最多タイ21得点の京都を相手に前半は圧倒。「本当に頑張ってる姿勢が見られた。いっぱいいっぱいのところまでやってくれていた。ここに引き分けられる強さをつけられたら」と評価した。

 三上GMは財前監督を招聘(しょうへい)した理由に「若い選手の良いところを引き出すのがうまい」ことを挙げた。既にDF松本、MF深井、中原ら5人の新人がデビュー。京都戦では5年目のGK曵地も公式戦初出場。経験の少ない戦力を生かしながら戦うには、苦境の中でも気持ちを高めるメンタル操縦が不可欠。中2日で迎える明日6日の北九州戦(北九州市立本城陸上競技場)に向け、まずは“財前マジック”で顔を上げさせる。【永野高輔】