仙台DF蜂須賀孝治(22)が、明日11日のホーム大宮戦へひときわ燃えている。昨年8月25日に仙台が黒星をつけて以来、21戦不敗とJ1記録を更新中の首位大宮。敵将ベルデニック監督はかつて仙台を率いたこともあり、当時は手倉森監督がコーチを務めていたという因縁浅からぬ相手だ。

 そんな中で蜂須賀に刺激を与えているのが大宮FW富山貴光(22)。矢板中央高時代に仙台の特別指定選手だった富山とは、同じ栃木市出身で子どもの頃から知り合いだった。小学4年の地区大会で初めて出会い、同6年時には「ホーリーホックSSとちぎ」で一緒にプレー。「6年の時には、ナショナルトレセンもトミと2人で行きましたね」と懐かしそうに振り返る。

 昔なじみの“ライバル”はここまで3得点をマーク。一方の蜂須賀も前日8日にプロA契約への変更が発表されたばかり。「今年の目標だったし(富山に)やっと追いついたという感じですね」。さらに「(気持ちは)かなり引き締まります」と、これまで以上にプロの自覚が芽生えてきた。

 6日の広島戦でGKと接触した富山との直接対決は実現しない可能性もあるが、左サイドバックでの出場が有力なルーキーにとって、名を上げる絶好の機会であることに変わりはない。「トミのことは気になりますけど、まずは自分のこと。ホームで勝つことだけを考えていきます」。若武者らしく、がむしゃらにぶつかっていく。【亀山泰宏】