<J2:山形0-1札幌>◇第14節◇12日◇NDスタ

 岡本連発で連勝!

 J2札幌は山形に勝ち、今季2度目の連勝を決めた。0-0の前半24分に、ゲームキャプテンのMF岡本賢明(25)が、プロ初の2試合連続ゴールを決めて先制。DF陣も体を張った守りでしのぎ、4月17日鳥取戦以来5戦ぶりの完封勝利を飾った。山形戦はこれで05年から10戦負けなし。好相性の相手を下し、勝ち点19で15位から12位に浮上。プレーオフ圏6位との勝ち点差を4に縮めた。

 一瞬のスキを逃さなかった。前半24分、MF荒野が相手DFからボールを奪うと、岡本が右サイドに抜け出した。「少し浮かせばGKをかわせる」。DFとGKに寄せられるも、左腕を上げ、軽くジャンプしながら右つま先で跳ね上げるようにシュートを放ち、ゴール左隅に流しこんだ。

 6日の北九州戦に続く、自身プロ初の2戦連発だ。敵地でゴールした試合は5戦全勝と“岡本アウェー弾神話”を継続し、さらに自身シーズン最多タイの4点に到達した。「点を取れたことは良かった。でもまだ4点。もっと点を取っていかないと」。前節まで3点で並んでいた内村を抑えチーム単独トップに躍り出たが視線は既に、さらなる高みを見据えていた。

 赤ちゃん効果がプラスに働いている。昨年9月に第1子の長女小夏ちゃんが生まれた。「癒やされる。子供が寝ると同時に自分も寝てしまう。それがいい生活習慣につながっているのかも」。夫人と2人暮らしのときは午後11時過ぎに寝ることもあったが、3人になり小夏ちゃんを寝かした後、遅くても午後10時過ぎには就寝するようになった。睡眠時間1時間増で、頭の回転は上がった。3月20日松本戦、4月17日鳥取戦の2点は、こぼれ球に素早く反応。今回も荒野のカットを先読みするなど、ゴールへの嗅覚が日増しに上がってきた。

 効果はピッチ内だけではない。ゲームキャプテンの連発に財前監督は「河合、内村不在の中、しっかり試合前も声掛けしてくれる。よく引っ張ってくれている」とメンバーへの気遣いにも注目。愛娘の存在がプレーだけでなく、精神的な部分でも成長をもたらした。

 97、00、07年に続く5月敵地連勝で昇格条件を1つ乗り越えた。「連勝することで少しずつ上との差も縮まる。この勝利は次勝たないと意味がない」。次の厚別も4得点した4戦3勝1分け無敗と験がいい。今度は“厚別岡本不敗弾”で、初の3連勝につなげる。【永野高輔】