<J2:岐阜2-8G大阪>◇第22節◇3日◇長良川

 G大阪が歴史的ゴールラッシュで首位を守った。アウェー岐阜戦に8-2で大勝。日本代表から復帰初戦となったDF今野泰幸(30)がボランチで出場して2得点の大活躍だった。G大阪の1試合8得点と、両軍合わせた10得点はJ2新記録。リーグ折り返し初戦で満点スタートを切ったG大阪は、2連勝で勝ち点を49に伸ばした。岡山に0-1で敗れた2位神戸と勝ち点5差に広げた。

 日本代表勢が復帰したG大阪が、最下位岐阜に別次元の強さを見せつけた。J2新記録となる1試合8得点。象徴的な場面は後半18分、7-1とした今野のこの日2ゴール目だった。今野を起点に素早いパス交換で、最後は再び今野がゴール前へ抜け出す。DFを1人、2人、最後はGKまでもかわす計3人抜きの横ドリブルを披露。左足で決めて、東京所属の04年以来9年ぶりの1試合2発を見舞った。

 「2点目はごちゃごちゃとなって抜いただけ。たまたまです。8-2でも勝ち点3に変わりはない。守備も攻撃も両方絡み、サッカー力をもっと伸ばしたい。これからも勝ち点を積み上げて、早くJ1昇格を決めたい」。本来のセンターバックではなくボランチで出場し、より得点への血が騒いだ。

 MF遠藤と今野は、今季初めて首位に立った5月26日愛媛戦を最後に、コンフェデレーションズ杯に出場する日本代表のためにG大阪を離れた。前節はクラブに再合流したが、特別休暇が与えられた。2人が不在の間は4勝1分けで首位を守ってきた。この復帰戦はリーグ後半初戦であり、最高の結果をつかんだ。

 今野とダブルボランチを組んだ遠藤は、前半2分にFWパウリーニョの先制点をアシストした。後半6分に今野の1点目を演出したのも遠藤の左CKからだった。「(3戦全敗した代表で)感じたことを忘れず、常に高い意識を持ってやっていかないといけない」と遠藤。DF陣のミスによる失点はあったが、長谷川監督が「ベンチで何もすることがなかった」という完勝。「代表選手の力はさすが。1カ月間の成長を出してくれた」と喜んだ。

 FW倉田が左膝外側側副靱帯(じんたい)損傷で2カ月の離脱が決まったばかり。それでも途中出場のFW川西がこの日、今季初得点を決めるなど、不安を即座に打ち消す力がG大阪にはある。ホッフェンハイムMF宇佐美の復帰、新ブラジル人FWロチャは20日神戸戦から出場可能。1年でのJ1復帰を目指す、いまだ1敗の最強軍団が今夏を突っ走る。◆3日の岐阜-G大阪で達成されたJ2記録

 ▼1試合最多得点

 G大阪が挙げた8得点は、12年松本などの7得点を抜いて新記録。J1では98年磐田の9得点(9-1C大阪)が記録。

 ▼最多得点試合

 G大阪と岐阜の両軍合わせた10得点は、11年東京V7-2横浜FCなどの9得点を抜いて新記録。J1では98年C大阪5-7柏の12得点。