財前流必勝方程式で水戸を討つ。J2札幌は今日25日、ケーズデンキスタジアム水戸で水戸と対戦する。財前恵一監督(45)が24日、リードした状態で主将のMF河合竜二(35)を投入する策を、理想プランに掲げた。今季14勝中13勝が先制した試合。3-0と快勝した前節愛媛戦同様、先制後“抑えの切り札”で締める交代策を用い、勝ち点44で並ぶプレーオフ圏争いのライバルから、手堅く勝ち点3を奪う。

 夏場の3連戦をしっかり勝って締める。ホームでは現在6戦連続完封勝利も、敵地では4日の富山戦から2連敗中。財前監督は「相手はホームだし前がかりにくるが、粘り強く相手の時間を耐えて、勝ち点3を奪いたい」と前を向いた。

 そのキーマンがボランチのサブとして2戦連続でベンチに控えるMF河合だ。「復帰直後でスタートからはまだ厳しいが、いるといないでは大きな違い。リードした状態で起用できれば、それがベスト」。前節愛媛戦では2-0リードの後半34分に途中出場し、球際の激しい寄せと、声での激励でチームを引き締め完封勝利に導いた。河合自身、役割は分かっており「いい流れのときに、自分が入って何ができるかを意識して臨む」と気を引き締めた。

 河合の“抑え”起用で、得意な逃げ切り勝利につなげる。今季14勝のうち13勝が先制試合。指揮官は「リードされても巻き返せる力がほしいところだが、今はしっかり勝ち切ることが大事」と言う。特に連敗中の敵地では、後半失速する試合が続いており、4日の富山戦は決勝点を含む2失点、18日のG大阪戦では全3失点を後半に許した。暑さで運動量が落ちる終盤に、メンバーを鼓舞できる主将を投入し、劣勢を耐え抜く粘りを注入する。

 指揮官は前半21戦終了時の6位勝ち点34をベースに、勝ち点68をプレーオフ進出ラインと想定。「ここから2勝1敗ペース。残り12戦8勝4敗で目標に届く」と掲げた。守備の切り札河合だけでなく、今回は、リードされた場合の追撃カードとして、チーム得点王のFW内村をベンチスタートにした。疲労を考慮した部分もあるが「短い時間でもやれる選手」と期待。万全の財前プランで確実に勝ち点3を積み上げ、6位浮上を目指す。【永野高輔】