<J2:G大阪0-1愛媛>◇第35節◇29日◇万博

 J2史上最強のはずのG大阪が、首位から陥落した。本拠地万博で攻撃陣が封じ込められ、格下愛媛に惜敗した。J1昇格を目前にしながら、8月下旬から最近5戦は1勝2分け2敗と大失速。勝ち点差で並んでいた神戸が1-1で水戸に引き分けたため、5月26日愛媛戦以来守り続けてきた首位を明け渡した。

 まるでチームの異常事態を知らせているかのようだ。試合終了の笛と同時に、メーンスタンド付近で火災報知機のブザー音が鳴る。誤作動によるものだったが、そのすぐ後にはスタンドからブーイングが響いた。J2でも下位に沈む愛媛に、本拠地でまさかの金星を献上。攻めても、攻めても、得点が入らない。逆に相手にワンチャンスで決められる、番狂わせの典型のような一戦だった。

 圧倒的にボールを支配し、決して悲観するほどではないが何かがおかしい。8月下旬から失速の気配が漂い、最近5戦は1勝2分け2敗。4カ月も守り続けた首位の座をついに神戸に譲り、長谷川健太監督(48)は「若干、相手に研究されてきている。ここからもう1度、首位を奪い返すようにやっていきたい」。FW宇佐美も「これがサッカーの難しさであり、醍醐味(だいごみ)でもあると思う。今日はうちに悪い方に出てしまった」と悔しそうだった。

 産みの苦しみか-。他クラブも含めた今節の結果次第では、10月6日栃木戦にも昇格が決まる可能性があった。敗戦で最速昇格は同20日富山戦に持ち越し。大黒柱のMF遠藤は「1つ順位は落ちましたけれど、僕たちのやることはブレない」と自分に言い聞かせるように話した。J2最強布陣のはずが…。独走Vは難しくなった。【益子浩一】