<J2:熊本2-1札幌>◇第35節◇29日◇うまスタ

 鬼門熊本で取りこぼし-。札幌は熊本に敗れた。前半17分にFKから先制点を献上。DF上原慎也(27)のゴールで追いつくも、後半34分にFKからこぼれ球を押し込まれ敗れた。アウェー熊本戦は通算5試合で2分け3敗未勝利。18位と下位相手ながら、苦手意識を振り払うことが出来なかった。順位は8位に落ちたが、6位千葉も敗れたため、プレーオフ圏との勝ち点差は4差のままとなった。

 あと1発が出なかった。1-1の後半11分、左サイドからFW内村が相手GKの股抜きシュートを狙うも、数センチ右に外れた。同24分にはMF砂川が直接FKを狙うも、ボールはゴールバーのわずか上にそれていった。決定機を決めきれないまま同34分に、カウンターからFKを与え、こぼれた球を押し込まれ敗れた。

 財前恵一監督(45)は「セットプレーからの失点で試合が難しくなってしまった」と振り返った。前半17分にFKから先制点を決められた時点で、熊本は守備を固めてきた。上原の意表をつくミドルシュートで1度、追いついたが、その後はゴール前まで運んでも、大事なフィニッシュで、枠をとらえることができなかった。

 シュート14本で1点。エース内村は「チャンスで取れなかったのが一番の原因。あそこまで引かれたら、もっと工夫しないと。遠目から打つとか、深いところに切り込んでクロスとかパターンを増やさないと」と反省した。最近5戦で、札幌のシュートが2ケタに届かなかったのは前半途中で10人となった長崎戦(8本)のみ。それ以外は13本以上放ち、すべて複数ゴール。今回は、1点しか挙げることができなかった。

 「パスやシュートの数センチのズレだけだった」と砂川。財前監督も「これからはこういう試合が増えてくる。最後の精度を上げていかないと、こういうブロックは崩せない」。プレーオフ圏に入るため、もうワンランク、攻撃の質を高める必要性が出てきた。

 6位千葉が敗れ、8位に転落したが同圏との勝ち点差は4差のままと、運は残っている。「まだ終わってない。次はホームでできる。もう1回、ラストチャンスという気持ちでやりたい」と内村。同じ勝ち点51に岡山、松本、東京Vと4チームが並んだ。残り7戦、気持ちが折れたチームが挑戦権を失うことになる。【永野高輔】