<J1:川崎F2-1磐田>◇第29節◇19日◇等々力

 磐田は川崎Fに痛恨の逆転弾を浴び1-2で敗れた。再三のピンチをしのいだ後半28分、FW阿部吉朗(33)のヘッドで先制。残留ラインの15位甲府が柏に敗れ、そのまま逃げ切れば残留に小さな1歩を踏み出すはずだったが、セットプレーで2失点し最悪の逆転負け。次節清水戦で磐田が敗れ、甲府が勝つと降格が決定する。

 何度同じ失敗を繰り返すのか。相手のシュートを浴び続けながらも阿部の値千金のヘッドで待望の先制点を挙げた。「勝ち点3」まであと15分だった。関塚隆監督(52)は、ボールを支配し積極的に攻撃することを指示したが、選手は簡単にボールを失い、最終ラインはズルズルと下がっていった。後半39分にCKから失点。そしてロスタイム。ラスト1プレーとも言える場面で、DFチョ・ビョングク(32)がファウルで与えたFKから逆転を許した。これで後半30分以降の失点はリーグワースト2位の18点。今季4度目の逆転負けを喫した。

 途中出場のDF安田理大(25)は現状を「崖から転落して枝に引っ掛かって、鳥に上げてもらうのを待ってる状態」とたとえる。試合終了後は「流れの中ではなく、セットプレーから2失点は悔やまれる。こういう負け方をするからこの順位にいるということ」と振り返った。

 次節、甲府が勝利し磐田が負ければJ2降格という状態についに追い込まれた。安田は「さすがにポジティブなことを言える状態じゃない。J2に落ちたら選手個人個人のサッカー人生にもかかわる。サッカー人生がかかっていることをもう1度考えて、しがみついてやっていきたい」。次節はホームでの静岡ダービー。磐田の意地を見せることができるのだろうか。【岩田千代巳】