驚きの“青空トップ会談”が実現した。仙台の来季新監督就任が決まったグラハム・アーノルド氏(50)が17日、泉サッカー場に初見参した。前日16日の天皇杯清水戦も観戦していた同氏は、手倉森誠監督(46)と並んで仙台大との練習試合を視察。「昨日(16日)はチームが戦う姿勢を見られて良かった。来年からここで働けることがすごく楽しみだし、光栄に思う」と、期待感をにじませながら帰国の途についた。

 選手たちも「異例じゃないですか」と口をそろえた現監督と新監督の2ショット。今回の視察を提案した手倉森監督は「来年いい仕事をしてもらうためには、早めに紹介した方がいいと思った」と意図を明かす。来日に際し、日本サッカーに関する膨大な資料を持参するなど研究熱心なアーノルド氏。かねて、仙台を6季率いた同監督との対談にも意欲的だった。一方で現チームを指揮する立場に配慮して1歩引く考えもあったが、誘いを受けて快諾。合計70分間、ベガルタについて理解を深めようと熱心に議論を交わした。

 選手には「ぜひ天皇杯を勝ち、自分がいたセントラルコーストとACLで対戦できるよう頑張ってほしい」などと激励したという。手倉森監督は「器が大きいね。真面目だし、ウチに合ってる。ナベ(渡辺コーチ)を『彼があなたの日本でのナベゲーター(ナビゲーター)だ』と紹介したら、爆笑してたよ」と得意のダジャレが通じることまで確認し、早くも意気投合。今後は新体制への引き継ぎも、スムーズに進みそうだ。【亀山泰宏】