J1戦で最終チェック!

 J2札幌DFパウロン(23)が、今日20日の天皇杯甲府戦(うまかな・よかなスタジアム)で先発出場することが19日、濃厚となった。公式戦の出場は、右手甲を骨折した10月6日のリーグ群馬戦以来1カ月半ぶり。プレーオフ進出を懸けた24日の最終北九州戦は、DF趙成真(22)が右太もも肉離れで出場が微妙だけに、格上相手の実戦で助っ人の回復状態を確認し決戦につなげる。

 残された時間を有効活用し、大一番に備える。札幌・宮の沢での19日の戦術練習で、パウロンは天皇杯組のセンターバックに入ってプレーした。右手甲の骨折から13日に復帰。甲府戦に向け「J1相手にチャンスをもらえたことはうれしい。グループとして、しっかり戦えるようにしたい」と強い口調で言った。

 リーグ最終の北九州戦と、プレーオフ進出を見据えた戦力の底上げが最大のテーマになる。財前監督は「けが人も多いし、誰がどれだけできるのかチェックしたい」と話した。17日の岐阜戦でDFの要の趙が負傷し、最終節出場は微妙な状況。さらに、その先にはプレーオフ準決勝が控える。今季2戦3失点無得点と相性の悪い京都と対戦する可能性もあるだけに、身体能力が高く、セットプレーでの得点力を備える助っ人の復調は、雪辱とJ1復帰への追い風になる。

 ポイントは、90分通した安定感。今季出場7試合のパウロンは、4月17日の鳥取戦まで4戦連続フル出場した。しかし、チームにフィットしかけた同21日の長崎戦では、ハーフタイムに負傷交代。復帰した7月3日の徳島戦は後半30分に2度目の警告で退場し、前回出場した群馬戦では後半33分に右手甲を骨折して負傷交代した。約7カ月、公式戦でフル出場がなく、指揮官は「力があるのは分かっている。あとは90分通してできるか」と話した。

 趙だけでなく、攻撃陣も岡本、荒野、榊らが負傷離脱中。天皇杯は前節の岐阜戦で先発したビン、砂川らが連戦で遠征し、ユースからGK種村、MF前、DF内山の3人をメンバー入りさせるなど、クラブの力を結集して戦力を補う。「趙のけがは残念だが、その分、ここで貢献しないと。恐れずに戦ってきたい」とパウロン。まずは控え組中心でJ1勢を連破し、チーム力に厚みを加えていく。【永野高輔】