J2札幌のU-18日本代表GK阿波加俊太(18)が9日、“下克上”宣言した。GKは杉山、李に加え、J2長崎の金山隼樹(25)獲得が決定的となった。今季は李が負傷で登録を抹消され、事実上3人の争奪戦だったが、来季は4選手での激しい定位置争いが必至。この日、札幌・宮の沢で始まった若手練習では、課題の判断力に磨きをかけて実績に勝る先輩を抜き、定位置取りにつなげる。

 今季の第1GK杉山、長崎の正GK金山、11年昇格時の正GK李とポジションを争う。追いかける立場だが、同じプロとして譲れないものがある。GK最年少だが「自分がポジションを奪うことでチームにも刺激を与える。何とか勝ち取りたい」と前を向いた。成長への課題も明確で、20日までの若手練習のポイントとして「縦にボールが入ったときの、前に出る判断力を身につけたい」と挙げた。

 第3GKの立場からポジションをつかんだ金山には“下克上”の極意を学ぶ。「出られない間のモチベーションの保ち方とか聞いてみたい」。今季は1年目ながら11月20日の天皇杯甲府戦でプロデビューも、リーグ戦出場はない。2年目の飛躍につなげるため、貪欲にライバルからも吸収し、Jデビューを果たす。【永野高輔】